最近話題の「仮想通貨」って何でしょう?
仮想通貨とは
ビットコインや、最近流出騒動のあったコインチェックで「仮想通貨」がどういうものか気になっている方も多いでしょう。
ビットコインに代表されるネット空間で存在している通貨を「仮想通貨」と呼びます。その仮想通貨と従来からある日本円や米ドルなどの「法定通貨」との一番の違いは、仮想通貨には「紙幣」や「硬貨」といった実態がないことです。
法定通貨は「米ドル」「日本円」「ユーロ」といったように国や地域ごとに様々な種類が発行されていますが、仮想通貨も同様にたくさんの種類が発行されています。ビットコイン以外で知られている仮想通貨には「イーサリアム」や「リップル」などがありますが、ほとんど知られていないものまで含めると、1000種以上が発行されているといわれます。
なかでも、ビットコインは全仮想通貨の時価総額のうち約7割を占める圧倒的な存在です。また、ビットコイン以外のすべての仮想通貨のことを「アルトコイン(代替コイン)」とも呼び、ビットコインが仮想通貨のなかでいかに特別な存在であるかを示しています。
仮想通貨と法定通貨には、紙幣や硬貨がないこと以外にも違いがあります。例えば、日本円は「日本銀行」、米ドルは「連邦準備制度理事会(FRB)」といった中央銀行、つまりは国が通貨発行の役割を担っています。ところが、仮想通貨は発行・管理に、どこかの国が関与しているわけではありません。そのため、法定通貨は基本的にその国・地域だけで使われるのに対して、仮想通貨は世界中どこでも使える。国境に縛られない“世界共通通貨”といえます。
仮想通貨の発行
みなさんがご存知のビットコインや一部のアルトコインは発行主体がありません。
しかし、最近では発行主体が存在する通貨もどんどん発表されています。
仮想通貨(トークン)を発行することを、「ICO」(Initial Coin Offering:新規コイン発行)と呼びます。ICOとは、資金調達をおこないたい企業やプロダクトチームなどが「仮想通貨を発行して資金を調達する」次世代の資金調達方法です。
IPO(新規公開株)が一定基準以上の法人しか行えないのに対し、ICOは個人レベルからでも行えます。仮想通貨での売買になるため、投資側から見れば世界中のICOプロジェクトに少額からでも投資できるのが魅力です。
こうした背景からICOの件数は増加していますが、調達した資金で“真面目に”サービスを開発する企業がある一方、資金調達を完了した段階で連絡が取れなくなるような“詐欺的”なケースもみられます。
このため、世界各国でICOの規制が実施・検討されています。2017年では次のような規制が実施されました。
7月:アメリカでICOが規制される➡認可を受けないICOによる資金調達は、証券取引法に基づく処罰の対象であると発表
8月:シンガポールでICO規制が検討される➡シンガポール金融管理局(MAS)証券先物法の対象となるICOを規制を発表
9月:中国でICOが規制される➡中国金融当局によって、ICOで仮想通貨を利用した資金調達を禁止
10月:韓国でICOが規制される➡韓国の金融規制当局はICO禁止を発表。仮想通貨の信用取引も禁止
10月:日本でもICOの規制が検討される➡金融庁がICOについて利用者及び事業者に対する注意喚起を発表
仮想通貨に関する法律
日本での仮想通貨に関する法律は「仮想通貨法」などとも呼ばれていますが、正式には次の3つです。
- 資金決済に関する法律 (平成二十一年法律第五十九号)
施行日: 平成二十九年四月一日
- 資金決済に関する法律施行令
(平成二十二年政令第十九号) 施行日: 平成二十九年四月一日
- 仮想通貨交換業者に関する内閣府令
(平成二十九年内閣府令第七号)
施行日: 平成二十九年四月一日
法律の位置づけとしては、1の法律で「仮想通貨」する規定が追加され、1の法律の変更に関連する2の政令も変更されました。
1/2の法律/政令の変更を実施するために3の内閣府令が新規作成されました(3の内閣府令は、主に仮想通貨交換業者の登録に関するものです)。
仮想通貨については、「資金決済に関する法律」の第二条5項で次のように規定されています。
この法律において「仮想通貨」とは、次に掲げるものをいう。
一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
少しわかりにくいですが、「『不特定の者』に対し使用でき、『不特定の者』と交換できる移転可能な電子的財産価値」を「1号仮想通貨」とし、「『不特定の者』との間でビットコインなどと相互交換できる移転可能な電子的財産価値」を「2号仮想通貨」と定義しています。
店舗での支払いに使用できるビットコインやライトコインは1号仮想通貨、店舗で使用できない多くのアルトコインは2号仮想通貨に当たる。トークンがこれらに該当する場合は、金融庁が登録する仮想通貨交換業者以外は業として販売を行えません。
仮想通貨交換業者は、監督する金融庁のホームページ「仮想通貨関係」から確認できます。
仮想通貨の価格
色々な仮想通貨騒動などで価格は下がっていますが、時価総額トップのビットコインは「16兆円超!」です(2018/2/2時点)。
モーニングスターの「仮想通貨ランキング」より仮想通貨の取引価格がわかります。
仮想通貨の発行枚数
発行上限なしの仮想通貨は無限に発行され続けます。※「少額取引から始める仮想通貨入門」より引用。
- ビットコイン:BTC/XBT2,100万枚
- ビットコインキャッシュ:BCH 2,100万枚
- イーサリアム:ETH 発行上限なし
- ライトコイン:LTC 8,400万枚
- リップル:XRP 1,000億枚
- ネム:NEM 90億枚
- ヴァージ:XVG 165億枚
- シンディケーター:CND 20億枚
- リスク:LSK 発行上限なし
- モネロ:XMR 1,840万枚
- モナコイン:MONA 1億5000万枚
- ファクトム:FCT 発行上限なし
- ポエ/ポーエット:POE 31.4億枚
- トロン:TRX 1,000億枚(※1)
- ダッシュ:DASH 1,890万枚
- ジーキャッシュ:ZEC 2,100万枚
- ドージ/ドギー:DOGE 発行上限なし
- ステラ・ルーメン:XML 1,000億枚(※2)
- カルダノ:ADA 450億枚
- カッシュ/キャッシュ:QASH 10億枚
- ブレッド:BRD 1億6000万枚
- エイドゥ:EDO 9000万枚
- エクスペリエンス・ポインツ:XP 2251億枚
- シールド/盾:XSH 6億6000万枚
- ビットコインゴールド:BTG 2,100万枚
- イーサリアムクラシック:ETC 発行上限なし
- オーガー:REP 1,100万枚
- ムーンコイン:MOON 3,850億枚
- デジキューブ:CUBE 発行上限なし
- パックコイン:PAC 3兆4000億枚以上(※3)
- APPコイン:APPC 4億5000万枚
- スプラウト/もやし:SPRTS 2兆枚以上(発行上限なし)
- ストロングハンド:SHND 11兆枚以上(発行上限なし)
- ビットクリスタル:BCY 1億枚
- ストレージコインX:SJCX 5億枚
- ペペキャッシュ:PEPECASH 7億枚
- ヨーコイン:XYOC 7兆枚以上(発行上限なし)
※1:2018年1月にBurnによって総発行量を20%減らす予定(自分が持ってる分は減らないが相対価値が上がる)
※2:上限に達した後に発行量が毎年1%ずつ増加する
※3:2018年3月1日にHFで発行枚数をその時点の3%まで減らす予定
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2018.11.15 05:17